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抗がん剤の倦怠感を吹き飛ばせ!

ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。

抗がん剤治療に必ず出る倦怠感、かったるさ、気だるさについてまとめてみした。見た目では変化がなく動けと言われれば動けるけど、動きたくないこの感じ。とてつもない疲労感の経験された方も多いのではないでしょうか。


寝不足でもだるいけど、倦怠感って何?
倦怠感は色々な要因で起こる副作用の1つです。抗がん剤治療数日間は特に倦怠感に襲われると言われています。

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倦怠感

倦怠感とは

倦怠感とは『かったるさや疲労感』は、体が発する発熱・痛みと同じように、健康状態が崩れる前のサインだと考えられています。抗がん剤治療によって発現する倦怠感は、様々な要因で発生する事が考えられています。

倦怠感の評価

医療従事者が共通して評価するためのCTCAE( Common Terminology Criteria for Adverse Events )というみんなが同じに評価できるような基準。よくgrade▲として評価されるものです。

  • Grade1:だるさ・元気がない
  • Grade2:日常生活動作の制限

医療従事者が評価する内容ですら、このもやっと感。緊急度も高くないと判断されがちなので、放置されるか対策を何もしてもらえない可能性が高い副作用の1つです。

この事実を知っていただきたいのが、ご家族の方や介助者の方です。見た目に何もなく動こうと思えば動ける倦怠感という副作用。とても強いだるさに襲われております。1つの小さな行動も必死に動いている時期もあります。ぜひ手伝ってあげてください。

倦怠感の発生割合

がん治療に伴う疲労は、発生頻度の高い症状であり、その頻度は報告によってバラバラです。共通していることはら、抗がん剤治療や放射線治療によって疲労感、倦怠感は出現し、進行がん患者では 50%以上、治療していないサバイバーの方でも30%以上が有しているとされています。

《倦怠感の原因として考えられているもの》

  • がんがある状態
  • 抗がん剤治療
  • 放射線治療
  • その他にも抑うつや不安、不眠、痛み、吐き気、下痢、栄養不良、貧血、感染など

が挙げられています。もう皆さん該当する内容かと思います。


治療

有効な治療

一般的に以下のような薬剤が挙げられます。

  • 貧血改善薬
  • 中枢刺激薬
  • 抗うつ薬
  • サプリメント
  • 漢方薬
  • ステロイド
まずはじめに効果が期待できない治療として、サプリメント。本当におすすめしません。お高いサプリメントもありますが、おすすめしません。

なぜなら、がん患者の倦怠感を改善させる、かったるさを取る。として証明されているものはございません。もしそのような文言を謳い文句に販売されていた場合は、嘘の可能性が高いです。ご注意ください。ただしサプリメントではなく健康補助食品はぜひ身体に合えば使っていただきたいと思います。


抗がん剤治療による倦怠感の改善を報告されているものとして、補中益気湯に倦怠感の改善を期待させる報告があり、試していただくのもいいのかもしれません。

漢方にはかなりの多くの薬が含まれており、副作用や飲みにくさ、即効性のなさから、日頃の中で提案はあまりしませんが、確立した臨床試験の結果を持ってお伝えできるので掲載しました。全員の倦怠感がとれるわけでもなく、すべての方に使えるわけではございません。医師の判断のもとになりますが、ご相談してただいてもいいものかと思います


その他に載せた薬物治療に関しては、効果がある。効果がない。よくわからない。という報告されているのが現状です。ですが、明らかに貧血がある場合、貧血改善薬を用いることで倦怠感の改善は確実に得られます。倦怠感の原因を取り除くために使用するのであればとても有効な薬剤治療であると考えます。

運動の効果

抗がん剤治療中の運動は倦怠感、疼痛、悪心などの治療関連副作用を減少させる可能性があると言われております。実際に報告された研究内容では、理学療法士の指導のもと週2回エアロビクスと筋力トレーニングの組み合わせ60分、および週3回家で行う運動30分を実施してもらうという内容です。運動プログラムは短期的にみて有効であり、治療中に運動した患者は運動しなかった患者よりも倦怠感が少ないとの研究報告があります。

…かなりハードですよね…

昨年の世界的ながんの学会で報告された別の研究では、運動プログラム参加群の患者は1日に約90分程度、自転車やジョギングに取り組んでいたのに対し、通常のケア群の患者は、1日約70分程度取り組んで比較した研究。90分程度運動していた方がの身体的倦怠感は、70分程度運動をしていた群に比べ低い傾向にあった。しかしながら、学問的に明らかに有意差な結果は得られなかった。

…もっとハードでした。

この2つの研究から、運動はやらないよりやった方がいい。ただし強度を上げて運動してもとっても良くなるわけではない。ということがわかります。

ただし、とても倦怠感があるときに運動するのは避けるべきです。常に安静にしててと言われがちですが、身体を動かすことが倦怠感の改善につながる可能性があるということです。


※【注意】抗がん剤の副作用の1つである手足症候群を発生する可能性がある治療をされている方は、注意が必要です。ウォーキングなどの影響で、足の皮がめくれてしまうなど手足症候群が誘発される可能性があります。しっかりと観察し続けてください。
≪皮膚障害対策≫
皮膚障害対策をまとめているので、心配な方はご一読いただけたら幸いです。

患者さんからよくある質問と回答

倦怠感が強いから運動したくない。大丈夫かしら
倦怠感が強い時には無理して運動はしなくてOKです。体調が戻ってきたら少しずつ再開していきましょう。運動はやらないよりやった方が体が楽になると言われています。少しずつ頑張ってみましょう。

倦怠感が強いから栄養剤飲んでもいいかしら
栄養剤を飲んでいただいても治療に大きな影響は与えないと思います。ですが、原因の解決にはならない可能性があります。一度、倦怠感が誘発されている原因を考え、解決できる方法はないか医療従事者と相談してみてください。

最後までご覧いただきありがとうございます。 

読んでいただいた方が、より安全な抗がん剤治療を受けられるように願っています。また元気な時間を1日でも長く・楽しく・素敵な思い出を作れるよう、副作用を気にしないで生活できるように貢献できるよう情報を発信していきたいと思います。

薬剤師まさ

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