ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。
日本国内ではコロナウイルスが猛威を振るい、人から人へと感染の拡大が止まっていない状況が続いています。都内の発症人数も書いております4/17現在最高人数の201人と方向をされており、今書いた数字が「本当にあの頃は多かったね」と思えるように一日でも早く収束して欲しいばかりです。
今回は日本に比べ中国は多くの患者が出現しており、多くの優秀な先生方が世界に向け発信してくれています。論文のありがたさは、他の世界中の患者さんを間接的に救う力があるところですよね。その報告をかみ砕いで紹介していきます。今回はがん疾患に関連した部分を中心に掲載していきたいと思いますが、私の勉強が行き届かず、こんな情報もあるぜっ‼こんなのも知らないのかっ‼など含めてご教授いただければ幸いです。
コロナウイルスの猛威
コロナウイルス感染者数
本日のコロナウイルス感染者数は、グーグルさんで検索すると表示されますが、作成時に検索した際に掲載されていた値を載せます
全世界
|
2,159,450
|
549,592
|
145,568
|
日本
|
9,167
|
918
|
148
|
アメリカ合衆国
|
676,676
|
56,127
|
34,784
|
スペイン
|
185,309
|
74,797
|
19,516
|
イタリア
|
168,941
|
40,164
|
22,170
|
ドイツ
|
137,698
|
66,500
|
4,052
|
フランス
|
108,847
|
32,812
|
17,920
|
イギリス
|
103,093
|
–
|
13,729
|
中華人民共和国
|
82,367
|
77,944
|
3,342
|
イラン
|
77,995
|
52,229
|
4,869
|
日本は検査数が少ないと言われていますが、その反面死亡者数が低いことからも医療資源が豊富にあり、多くの方々の迅速な対応によって危険な患者さんを救うことができているのかもしれません。それは現場にいても肌で感じます。この数値を見ると中国が少なく感じるかもしれません。なんだかんだ言われておりますが、中国には多くの優秀な方々が揃っており、彼らの戦い方が良い結果として現れたのかもしれません。
台湾では発症者数0人を達成した日が出現
台湾が新型コロナウイルスの封じ込めに成功していると報じられました。3月9日以来、36日ぶりに新規感染者数ゼロを達成。官民一体の取り組みが奏功した報告がなされています。台湾は日本のように外出自粛を特に求めず、人々はほぼ普段と変わらない生活を送る中、感染者や濃厚接触者、海外から戻った人に義務付ける14日間の隔離を徹底。
隔離されるにあたり、1日当たり1000台湾ドル(約3600円)の補償金を支給する一方、違反者に最高100万台湾ドル(約360万円)の罰金を科しています。
2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)を経験した結果、国としての対策がしっかりとなされているという点だけではなく、感染症対策を実際に動かすために指揮している方々の背景がワールドクラスであることが挙げられる。厚生労働大臣のようなポジションには、台湾の中央伝染病指揮センター指揮官が着任しており、多くの情報収集と専門的知見から対策を講じています。IT大臣も有名になりましたが、市民が暴走しないよう生活必需品の一部を電子管理し、供給不足を防いだことでも有名になりました。日本のような国会議員の中からではなく、実力者が実権を握っているお国柄だからこそ爆速の対策ができているのではないでしょうか。
がんとコロナウイルスの関係性
コロナウイルスの死亡時に持つ併存疾患
この分析は、2020年2月11日までの期間に中国で記録された死亡および症例に基づいての報告になっており、中国国内での医療資源の元、得られた治療成績になっております。日本とは異なるので参考程度になると思いますのでご注意をください。
記載の通り、健康状態が良い方は1%未満の死亡率であり、多くの方が回復していることがわかります。年齢に対するバイアスが入っていないため、わかりませんが基礎疾患に何かある方ですと死亡率が高くなっていることがわかります。
どのような疾患が死亡患者に多いかと見てみますと、心血管疾患を抱えCOVID-19と診断された人々の10%以上が死亡したと書かれています。それ以外にもグラフに示されているように、糖尿病、慢性呼吸器疾患、高血圧、癌もすべてリスク要因でした。複数持っている方々はやはり高リスクになっております。
糖尿病があって、タバコ吸っていて肺がん治療している。どうでしょうめちゃくちゃリスクが高そうですよね。タバコは最近辞めましたが、趣味パチンコ。副流煙で慢性呼吸器疾患(COPD)になってそうですよね。絶対に注意が必要です。
ただこの癌はどのような種類が含まれているのかわかりません。また中国でのがん医療の実情と日本国内でのマネジメントは保険制度や承認されている薬剤の違いからも大きく異なることが予想されますが、リスクであることは間違いないと思います。
がんを持つ患者のリスクの程度
それ以外にどのような報告があるか探してみました。
参考文献:Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)
これくらいしか見つからなかったというのが正直な答えです。他にもあったらぜひ教えて欲しいです。ご教授ください
固形がんと造血器腫瘍の考え方の違い
今まで書かれている内容は、固形がんの内容として認識していいのではないかと考えております。造血器腫瘍(悪性リンパ腫や白血病、多発性骨髄腫や骨髄異形成症候群の方々)また骨髄移植を実施した後の方々は、固形がんの抗がん剤治療中の血球減少より、感染リスクは高いと考えています。やはり免疫にかかわる部分が腫瘍による影響を受けておりますので、注意する必要があると考えています。
造血器腫瘍ではありませんが、似たぐらい免疫力が低下する(治療上低下させないといけない)膠原病・関節リウマチのガイドラインでは、免疫抑制剤の扱いについて下記のように検討されていました。
- 関節リウマチ治療や膠原病治療は今まで通りでOK
- 来院回数が減らせるような形が嬉しい
- 感染を確認・疑われた場合には免疫抑制剤offを検討
- もし感染が確認された場合、生物製剤を含めて中止
- IL-6阻害薬は状況を考慮して使用可能
と書かれています。基本的には継続可能であることを打ち出しており、造血器腫瘍もそれにならって検討してもいいのではないかと思われます。ただ感染リスクが高く再発率は低下しても生存期間に影響がない治療に関しては、リスクの方が高くなることから治療の中止や導入見送りがあるかもしれません。
学会が提示した抗がん剤治療の進め方
がんの病状と新型コロナ肺炎ウイルスの感染リスクの程度により考えますが、基本的には以下の通りです。担当医の先生とよく話し合ってください。
1)がんが疑われる場合にがん診断のための検査はどうしますか?
- 前述の症状が無ければ、予定通り検査を受けてください。非常事態宣言の地域や感染リスクの高い地域では、2~4週検査の延期を考えることができます。
2)新たにがんと診断された患者さんでは、手術を受けたほうが良いですか?
- 遅延無く、手術が行われるべきです。同様に、術前の化学療法が行われた患者さんも、遅延無く手術が行われるべきです。
- 一般的に、早期がんや限局した小さいがんでは、4週間の手術の遅れは許容されると考えられます。逆に、腫瘍量が大きいがんでは、状況に応じて術前の化学療法を行ったり、化学放射線療法に切り換えることも考慮されます。
3)術後の化学療法は行うべきですか?
- 新型コロナウイルスの感染リスクが低ければ行われるべきです。術後6~12週後の治療開始も許容されます。
- 術後化学療法のリスクとベネフィットを考え、再発予防効果が乏しいと考えられる場合には、延期または中止を考慮しても良いかもしれません。
4)化学放射線療法は続けるべきでしょうか?
- 化学療法と放射線療法を併用する化学放射線療法は、通常は根治を目指しているので、続けるべきです。
5)化学療法は続けるべきでしょうか?
- 続けるべきです。ただし、治療プロトコールを2週間に1回から3週間に1回のものに変更するなど、受診回数を減らすことを考慮します。また、点滴治療から内服薬に変更するのも1つの考え方です。
6)維持療法は続けるべきでしょうか?
- 続けるべきです。ただし、治療間隔を少し長めにする (休薬期間を少し長めにする)ことはできると思います
参考文献:https://www.jsmo.or.jp/general/coronavirus-information/qa.html
海外で紹介されている神話を論破する論文紹介
番外編
コロナウイルスの生存期間
SARS-CoV2であるCOVID-19は、空気中及び表面上で数時間から数日間生存していることがわかりました。
- プラスチックでは最大72時間
- ステンレス銅では48時間
- 段ボールでは24時間
- 銅では4時間
- 大気中では3時間
とありますが、72時間後に検出された量では、感染に値しない量になっております。と書かれています。即ち、外出していても確実に手についている、のどについている状態は考えれますが手洗いうがいを徹底することで、ウイルス量を減らし感染に値しない量に減らすことができます。徹底して手洗いうがいをしましょうね
最後までご覧いただきありがとうございます。
読んでいただいた方が、より安全な抗がん剤治療を受けられるように願っています。また元気な時間を1日でも長く・楽しく・素敵な思い出を作れるよう、副作用を気にしないで生活できるように貢献できるよう情報を発信していきたいと思います。少しでも参考になった方はぜひ下のboxをポチっとお願いいたします。
薬剤師まさ