ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。
薬剤師らしいことを書いてみようと思い考えていましたが、がん領域から抜け出せず悩んでいた中、発見しました。たまに…薬剤師っぽいインテリじみた説明ができるニュースがあったときだけ解説風に書いてみたいと思います。
密造酒の事件
インド北東で起こった事件
CNNによると、 インド北東部のアッサム州で、エタノール(お酒)を安価に作れるメタノールにした密造酒を飲んだ住民少なくとも94人が死亡し、150人以上が病院へ運ばれたことが24日までに分かった。とニュースに掲載されておりました。
なぜお酒でこんなに死者・入院?
アルコールはアルコールであってもたくさんの種類があります。皆さんが一般的に飲むアルコールはエタノールと言われております。体の中でアセトアルデヒド→酢酸になり最終的には水と二酸化炭素に分解されます。分解された水はおしっこで排泄されますので、飲みまくっているとトイレ何度も行きますよね?お酒の残骸です。
メタノールとエタノール?
メタノールの副作用
メタノールは分解された場合、ホルムアルデヒドとギ酸に分解されます。
メタノール中毒
過去にも同じ事件があった
ロシアで起きた酒の変わりにメタノール入り入浴剤
安い酒だとして、入浴剤を飲んだというニュース。普通に考えて理解しがたい部分がございますが、メタノールが入っていたことから、死亡事故が発生した。
日本でも起きていた時代が?
第二次世界大戦後の混乱期には安価な変性アルコールを用いた密造酒によるメタノール中毒もしばしば起きたとされている。
他にもケニア・中国・韓国・ベトナム・インドネシア・ウガンダなどでも発生している。
お酒の強い人・弱い人
一般的にいうお酒の強さとは
一般的にアセトアルデヒドがお酒の「酔った」という感覚を作るものになっており、アルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)という酵素によって、分解され酢酸に変化し、二酸化炭素∔水に変化します。この個人が持つ酵素によって分解できる量が異なることから「酔いやすい」「酔いにくい」という違いが出てきます。
飲みまくれば強くなるという根性論?
飲みまくることで、酵素が大量に必要になり、体が酵素を多く作れるようになる=分解できる量が増える=酔わなくなるという流れで、理には適っていると思います。ですが、酵素を増やすにも限界がありますので、緊急的に別の分解酵素(CYP3A4やCYP2E1など)も働きます。主に薬を分解している酵素になりますが、大量摂取すると緊急的に働き、体がアルコール中毒にならないようにしてくれています。この薬用の分解酵素も増えることで強くなったと感じているかと思われます。
これを踏まえて薬剤師まさが考えた
二日酔い防止薬について
【ウコンの力】
ウコンの力はウコンの成分であるクルクミンが、胆汁分泌促進を促し肝臓を活性化させます。そのため、酔っぱらう原因物質「アセトアルデヒド」の分解も促進(たくさん壊してくれる)するため酔っぱらうのが軽減する可能性があります。戦う前に飲んでおいたほうがいいですね。
【ヘパリーゼ】
肝臓水解物を主成分として配合したものです。肝臓水解物って何だと思い調べたところ、イノシトール(ヘパリーゼ2)やジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン(ヘパリーゼプラス)が入っていました。これビタミンの仲間ですね。なので肝臓を休ませるためにも戦った後にはいいかもしれませんね。
酒を飲まないといけない雰囲気になってしまった時におすすめするのが、生グレープフルーツサワーをお勧めします。グレープフルーツにはアルデヒドデヒドロゲナーゼ(アルコール分解酵素)を活性化させて、アルコールを壊す働きが示されている報告があります。が、実と皮の間の白いところ‼ここは絶対に絞ってはいけません。そこには緊急用アルコール分解するCYP3A4の酵素を弱める効果がありますので、生グレープフルーツサワーを頼んで、程よく軽く絞って入れてチビチビ飲む。これが理論上酔いにくいと考えられます。
まとめ
これから新人が増えてくる時期やお花見の時期が来ますね。お酒を飲んで盛り上がれる時期が来ます。アルコールを無理して飲みすぎると、いいことはございません。無理せず適度に飲んで楽しみましょう。ちなみに私はお酒よりスタバのコーヒーの方が大好きです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
皆様の参考になれば幸いです。
薬剤師まさ