ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。
キムリアについて、世間を騒がしていますね。とてもいい薬にはなっていますが、非常に高価な新薬であり、財政を圧迫しかねないとされています。アメリカと異なり日本では医師の判断によって誰でも投与が可能であることから経済毒性を懸念しています。
ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 とうとう出ましたねキムリア!3349万円と超高額な治療薬。再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)および再発又は難治性のCD19 陽性のびまん性[…]
「よく言われる費用対効果。高額の医療をやって存命された、存命期間が何年です、だいたい数か月のために数千万の金が必要なんですか、とよく言われる話ですが」(麻生太郎財務相)とお話がありました。
なぜそのような発言をしてしまったのか。肩を持つつもりもありませんが、日本が向かっている方向とよく合致するところがありますのでご紹介したいと思います。


費用対効果
費用対効果評価
費用対効果比とは
費用効果比:Cost Effectiveness Ratio (CER)は、治療費用を治療効果で割ったものを表現し、効果当たりの金額を示します。
増分費用効果比とは
AとBの薬の費用効果比:CERを比べた値になります。Aの薬はBの薬に比べてどの程度費用効果比あるかを示します。
増分費用効果比が安かったら、お得な治療方法ですよね。
日本で出された骨子案
費用対効果評価の本格導入の仕組み
増分費用効果比:ICERの効果は、生活の質を表すQOLを数値化した値《QALY》で評価されています。とてもいい状態を1年維持するのに500万円が1つの指標として考えられています。
500万円/QALYという線引き
先駆的に効果と費用を考慮して、薬剤の承認をしているイギリスは£20,000-30,000/QALYや、アメリカは$100,000/QALYとされています。この値に根拠はありませんので、日本としても他の国を参考に大体このくらいにしようかな?と決めたのかもしれません。
キムリアの増分費用効果比
Final Evidence Report CAR-T B-ALL編
CAR-T の費用について報告があります。25歳以下に使用することができるB細胞性急性リンパ性白血病では、$45,871/QALYとされています。日本円に換算すると約500万円/QALYになりますので、国が定めようとしている金額と何ら変わりないではないか!ということがわかります。とてもいい治療であり、コスパも良いことがわかります。
Final Evidence Report CAR-T B細胞リンパ腫編
再々発したB細胞リンパ腫に対して、CAR-T 療法をした場合、$136,078/QALYとされています。日本円に換算すると約1500万円になりますので、国が定める金額の3倍です。コスパが悪い!と判断して発言したのはこのB細胞リンパ腫に対するCAR-T 療法であったのかと思われます。
命?経済?
今回、麻生さんの発言がとても問題視されましたが、背景には国の定めようとしている動きがあるからこその発言だと予想されます。ですが、自分達の方針によって作り続ける借金のせいで、国民の治療選択が奪われるのは許せません。立場を重んじた発言にして欲しい限りです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
読んでいただいた方が、より安全な抗がん剤治療を受けられるように願っています。また元気な時間を1日でも長く・楽しく・素敵な思い出を作れるよう、副作用を気にしないで生活できるように貢献できるよう情報を発信していきたいと思います。
薬剤師まさ
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