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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。

骨髄抑制という言葉。少し難しい言葉ですが、どんな抗がん剤治療にも少なからず出現する代表的な副作用の1つです。

骨髄抑制とは、骨髄中にある細胞が治療によるダメージを受けることで、血液成分(白血球・赤血球・血小板など)をつくり出す働きの機能低下が起こっている状態です。血液成分を作る場所=骨髄と表現することから骨髄抑制という名前が付けられております。 
 
とても難しいですね
簡単に言えば血液の成分が不足することです。 
血液の成分が不足=骨髄抑制と覚えてください
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血液成分の役割 

白血球 

白血球の役割は、ウイルスや細菌などの異物が体内に入ったときに、自分のなかにそれを取り込んで消化分解します 。

白血球は好中球、リンパ球、好酸球、単球、好塩基球の総称です。「好中球が少ない」と言われた場合、白血球の家族の一員である好中球が少ないので、家族全体(白血球)を見た場合も少なくなっています。

赤血球 

赤血球の役割は、全身に酸素を運びます 

血小板 

血管壁が損傷した時に集合してその傷口をふさぎ、止血する作用を持ちます 


 もし血液の成分が少なくなりすぎた場合

赤血球と血小板が少ない場合、輸血で補いますが、白血球だけは輸血で増やすことはできません。そのため自分自身の力で増えるのを待つことしかできません。 

抗がん剤の投与(点滴や飲み始め)から約10日程度から白血球減少が起こります。(※毎日飲むお薬は、やや低下傾向を示すだけで、細菌に負けてしまうほどではございません)特に〇週間飲んで、〇週間お休みといった休薬期間がある飲み薬は注意が必要です。 

家に引きこもっていなければならないわけではございません。普段通りの生活の中で必ず手洗いうがい等、感染症対策を行いましょう。 


もし抗がん剤治療中(お休み期間中)に熱が出てしまったら… 

発熱性好中球減少症という疾患かもしれません。とても難しい言葉ですが、先ほど記載した通り、好中球は白血球の家族の一員です。なので「白血球が少ない時に熱が出てしまった」をかっこよく言っているだけです。(超ざっくり) 

みなさん、熱っぽいってざっくりすぎてあいまいですよね。 

 薬剤師まさがおススメする判断方法

痛み止めを飲んでいる方‼→37.5℃以上の発熱で連絡     

痛み止めを飲んでいない方‼38.0℃以上の発熱で連絡

痛み止めの種類は問いません。痛み止めには解熱作用があります。痛み止めを飲んでいて37.5℃が出現した場合、もっと高い可能性があります。痛み止めの服用しているかしていないかで判断してみてください

※連絡先や方法は看護師さんや医師と事前に確認しておくといいですね!

普段の平熱が低いけど、痛み止めも飲んでないし、38.0度出るまで様子をみた方がいいでしょうか?
 
38度以上の発熱がなくても、体調が悪ければ連絡してください。もし痛み止めの使用がある場合、体調が悪いと思ったら連絡しましょう。


主な/注意すべき原因薬剤と対策 

骨髄抑制は抗がん剤治療(飲み薬や点滴)だけでなく、放射線治療によっても誘発されるため注意が必要であります。治療する日とお休みの日を組み合わせて1セットの治療は特に骨髄抑制が起こりやすいです。 

最低でも1日1回は体温測定を行うよう習慣化しましょう

こんなところにも注意が必要 

動物から人に感染する疾患を人獣共通感染症(zoonosis)といい、ペットを飼っている場合、様々な感染症の可能性があるため注意が必要です。特に猫・犬・小鳥・ウサギなど接触頻度が高い動物には、注意する必要があります。ペットと暮らす際には、排泄物を避けること・ペットの小屋や水槽、かごの掃除は家族に依頼すること・過剰な接触は避け、接触後は手洗いうがいの徹底を心掛けましょう

患者さんからよくいただく質問と回答

家に帰ってからすぐに熱が出たけど、どうしたらいいか 
白血球が下がるタイミングではないので、抗がん剤のせいで起こる熱の可能性が高いです。解熱剤の服用をして様子を見てください3日程度様子を見て、解熱しない場合や風邪のような症状がある場合、症状がひどくなる場合にはすぐに連絡ください。
生ものは控えた方がいいか 
生もの(生野菜・刺身・果物など)は細菌がついていることが多いので、免疫力が落ちる抗がん剤治療中は避けることが言われておりますが、あまり明確な根拠がありません。生ものを食べる場合、特に夏場は食べ物が痛みやすいので、意識的に新鮮なものを選びつつ、包丁やまな板の十分な殺菌・消毒にも注意するよう努めましょう。 


最後までご覧いただきありがとうございます。 

読んでいただいた方が、より安全な抗がん剤治療を受けられるように願っています。また元気な時間を1日でも長く・楽しく・素敵な思い出を作れるよう、副作用を気にしないで生活できるように貢献できるよう情報を発信していきたいと思います。

薬剤師まさ

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