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【解説!】どこよりも詳しいSOX療法~治療と副作用対策~

ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。

大きくタイトル攻めてみました。もっとここ詳しくとありましたらご教授ください。追記します。

いきなり治療の説明をされても、暗号のような名前の数々を言われ、いただいた用紙を見直しても理解不能になることがあると思います。ご自宅に帰ってから調べる際、結局わからないこともあるかと思います。ズバッとまとめてみました。


がんって診断されてもショックなのに、治療の話されても忘れちゃうよね。
本当にそうだと思います。実は説明されていても、頭に入ってこない状況はあると思います。再度調べていただいた際、適切な情報を。困ったときに調べてもたった時に有益な情報を提供したいと思います。

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SOX療法

SOX療法の適応患者

S-1+Oxaliplatin(SOX)療法は、HER2陰性の切除不能進行・再発胃癌の1次治療として推奨されるフッ化ピリミジン系+プラチナ系薬剤併用レジメンの一つです(胃癌治療ガイドライン:エビデンスレベルB)。
切除不能進行・再発胃癌の初回治療例を対象としてSOX療法のS-1+Cisplatin(SP)療法に対する非劣性(治療効果は変わらない)が検討されたG-SOX試験(第III相試験)では、SOX療法はSP療法と有効性がほぼ同等であることが検証され、重篤な毒性の頻度が低く外来投与が容易である特徴をもっています。

SOX療法を導入することは、根治は厳しいとされております。延命を目的とした治療が一般的です。

SOX療法の治療スケジュール

薬の名前 day1 day14 day21
TS-1(エスエーワン)    
オキサリプラチン        

オキサリプラチン(B 法:130mg/㎡、3 週毎)とS-1を組み合わせて治療することが一般的です。体調に応じて調整は行います。ですが、実臨床では100㎎/㎡が多いかもしれません。

SOX療法の治療目的と期待される効果

G-SOX試験という臨床試験において、切除不能進行・再発胃癌患者における1次治療としての、SP療法(n=342)に対するSOX療法(n=343)の非劣性を検討されました。

■有効性

主要評価項目である無増悪生存期間:再発するまでの期間(PFS)・全生存期間(OS)において、SP療法に対するSOX療法の非劣性が示された。さらに生存期間のサブグループ解析では、腹膜播種を有するグループにおいて、SOX群がSP群に対し有意に良好であった。


SOX療法の副作用

採血からわかる副作用と注意点

骨髄抑制

白血球や赤血球・血小板など血液の成分が全体的に低下することを骨髄抑制といいます。実際にSOX療法は外来通院で治療ができてしまう治療方法です。そのため輸血に頼ることはあまりありませんので、貧血が強すぎてふらふら・血が止まらないぐらい血小板が低いということはありません。

気を付けて欲しいのは白血球減少です。白血球減少が起きても、たとえ白血球が0になっても体では異変がありません。ですが、普段風邪をひかないでいるのも体の中に入ってきたばい菌を白血球がやっつけてくれるから風邪をひかずに済んでいるですね。なので、日頃の手洗いうがいを行い感染症にならないよう注意する必要があります。

薬剤師まさブログ

ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 骨髄抑制という言葉。少し難しい言葉ですが、どんな抗がん剤治療にも少なからず出現する代表的な副作用の1つです。 骨髄抑制とは、骨髄中にある細胞が治療によるダメージを受けることで、血液成分(白[…]

白血球を増やす薬:G-CSF

これを一日でも短くするために白血球を増やす注射を行います。それを皆さんG-CSFと表現することが多いです。G-CSFとは白血球の家族の一員である好中球を増やす指令であり、人工的に作った成分です。それを投与することで感染症になりやすい期間を一日でも短くすることを目的に投与したりしています。

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G-CSFはがん治療の支持療法として必要不可欠な薬剤です。感染症はがん治療の中でも大敵であり、感染症にならないよう日々の治療を行っています。白血球の回復を早め、重篤な感染症を回避することができる反面、投与後の骨痛や爆発的に増える白血球に悩ま[…]

実際に感じる副作用と注意点

一番怖いものですよね。何が起こるの?というより自分の体はどうなっちゃうのかというところ。危険をある程度理解していることで、注意すべき点がわかりますので、ぜひ知っていただけると嬉しいです。

抗がん剤の副作用において重要なのは、「いつ何が起こるか」という時期です

上の図に示す通り、時期によって副作用の出現するものが大きく異なります。時期を意識して解説を行いたいと思います。


SOX療法 day1-7までに起こりそうな副作用

気持ち悪さ・嘔吐

副作用対策として吐き気止めは使っております。ですが、まれに出現してしまうことがあります。万が一吐いてしまった場合、2回目の治療では更なる強化をして準備しますのでご安心を。トイレでゲーゲーしているイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、今は吐き気止めも進化しております。また吐き気や嘔吐が出た場合にも使える薬が沢山あります。我慢せず教えてください。

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 抗がん剤と聞いただけで、トイレにこもって出てこれない辛い吐き気や嘔吐のイメージございませんか?ご飯も食べれないというイメージございませんか?起こってしまうと本当につらいですよね…。 今回は[…]

倦怠感

これはday3.4に出てくることがあります。改善することがなかなか難しく時間が解決してくれるのを待つこともしばしば。デカドロンの服用を数日延ばしてあげると倦怠感の改善につながることもあり、相談してほしい副作用の1つです。

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 抗がん剤治療に必ず出る倦怠感、かったるさ、気だるさについてまとめてみした。見た目では変化がなく動けと言われれば動けるけど、動きたくないこの感じ。とてつもない疲労感の経験された方も多いのでは[…]

便秘

吐き気止め・倦怠感による活動量低下のダブルパンチで便秘になります。下剤をうまく使いながらしっかりと排便しましょう。硬い便が出てお尻が痔のようになるのが一番困ります。感染源になることがありますので、柔らかくしましょうね。

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 今回は便秘症状について取り上げてみたいと思います。便秘に悩んでいない方からすると「ん?」と思われますが、便秘で苦しんでいる方は意外に多いかと思われます。 抗がん剤治療中に誘発される便秘は非[…]

口内炎

粘膜障害の一種である口内炎ですが、抗がん剤の直接的なダメージによって傷がついてしまう状態です。こちらもお尻同様に感染源になることがありますので、必死にうがいをしていただけたらと思います。

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 皆様からコメントをいただき、とても嬉しいです。その反面、もう少し早くお伝えできたら良かったと思うお言葉をいただき、頑張らねばと奮起しております。 本日は口内炎についてまとめてみたいと思いま[…]

末梢神経障害(急性期)

エルプラット(オキサリプラチン)の投与後、手・足・口腔内や口の周りに違和感・痺れが出現したりすることがあります。特に発症する要因として、冷気や冷えた飲料に触れたり飲水することで、症状が出現します。数日で改善してくると言われていますが、極力回避することが必要です

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 抗がん剤の治療によって【痺れ:しびれ】が出現することをご存知でしょうか。抗がん剤の種類によって痺れが出現することがあります。それを「末梢神経障害」と表現します。医療用語でもっと正確に表現す[…]


SOX療法 day8-14までに起こりそうな副作用

骨髄抑制です。

とにかく感染対策を行いましょう。外出時はマスク着用・手洗いうがいは必須です。ですが、家で引きこもり状態になる方もいらっしゃいますが、そこまで厳重でなくても構いません。普段通りの生活で、家に戻ってきたら手洗いうがいをお願い致します。

ただし‼砂埃が凄いところ・埃が多いところ・ガーデニングなどの泥や土を触ることはだめです。カビが非常に多く、一度かかると1か月程度カビの治療をしないといけません。お守りください


SOX療法 day15-21までに起こりそうな副作用

この頃から脱毛が始まります。

脱毛は必ず起こります。ただし抜ける程度は個人差があります。だいたい2~3週間後と言われており、2コース目開始する頃から抜けると言われております。治療が終了すれば生えてはきます。ですが髪質がやや弱弱しくなることが多いです。脱毛の程度によって医療用かつら(ウィッグ)の準備をしてもいいかもしれません。

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 抗がん剤治療においてイメージが強い、脱毛について紹介したいと思います。抗がん剤と聞いたら、誰しもが髪が抜けるというイメージありますよね。実は最近の抗がん剤の中には、髪が抜けない抗がん剤が増[…]

坊主にするのは避けてください‼詳細はリンクに記載してあります。かゆくなってしまうんです

SOX療法2コース以降に注意していただきたい副作用

一般的には21日間の流れを繰り返すと言われております。

末梢神経障害を除いては…

末梢神経障害は3コース目ぐらいから出現すると言われております。特に指先と足の裏に出現してくると言われており、有効な治療方法がございません。基本的には治療薬を減らすor中止が最も有効な対処方法です。医療従事者には痺れの程度がわかりません。必ず状態について教えてください。

他にも困るのが

味覚障害です。

味覚障害は大多数の抗がん剤において発症するリスクがあり、治療で用いる抗がん剤からも味覚障害は必ず起こると言っても過言ではございません。食べやすいものを見つけながら、上手に対処していきましょう

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 抗がん剤による味覚障害はとても苦しいです。まず食事を摂ることが困難になり、体重減少・食欲不振になることも多々あります。また医療スタッフにも「頑張って食べましょうね」「家に帰ったら食べれるよ[…]


家族が考えるSOX療法の注意点

自宅の環境的な注意点

普段通りで構いませんが、動物を飼っている方は注意してください。

動物から人に感染する疾患を人獣共通感染症(zoonosis)といい、ペットを飼っている場合、様々な感染症の可能性があるため注意が必要です。特に猫・犬・小鳥・ウサギなど接触頻度が高い動物には、注意する必要があります。ペットと暮らす際には、排泄物を避けること・ペットの小屋や水槽、かごの掃除は家族に依頼すること・過剰な接触は避け、接触後は手洗いうがいの徹底を心掛けましょう

ご家族の方の生活

普段通りの生活で構いません。孫と遊びたい。一緒に食事したい。とお孫さんへの影響を考えて孤立してしまう方を何人も見てきました。心配ありません‼

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 本日は抗がん剤治療中に孫と遊びたいけど、抗がん剤の影響がありそうで怖い。洗濯物はどうしたらいいの?一緒にご飯食べて大丈夫?一緒にお風呂入っても大丈夫?など、ご家族への影響をお話しされる方が[…]


絶対に欲しい連絡

発熱

絶対に連絡が欲しい副作用として、発熱です。白血球が少ないときに起こる発熱は非常に危険です。発熱性好中球減少症と言われる危険な副作用の1つになりますので、必ずご連絡ください。ほかにも普段と異なるし、とても辛いということがあればすぐにご連絡ください。我慢は禁物ですよ。

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ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。 外来で抗がん剤治療中、耐え難い副作用に見舞われたことはありませんか?治療される方からしたら、そんな副作用にならないように準備する事が求められますが、どんなに準備をしていても少なからず出現し[…]


最後までご覧いただきありがとうございます。 

読んでいただいた方が、より安全な抗がん剤治療を受けられるように願っています。また元気な時間を1日でも長く・楽しく・素敵な思い出を作れるよう、副作用を気にしないで生活できるように貢献できるよう情報を発信していきたいと思います。

薬剤師まさ

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