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抗がん剤の吐き気をやっつけよう

ご覧いただきありがとうございます。薬剤師まさです。

抗がん剤と聞いただけで、トイレにこもって出てこれない辛い吐き気や嘔吐のイメージございませんか?ご飯も食べれないというイメージございませんか?起こってしまうと本当につらいですよね…。 今回は抗がん剤による吐き気・嘔吐についてまとめてみたいと思います。そして吐き気抑えるPointもまとめてみました。


吐き気が嫌だから抗がん剤やりたくない
吐き気止めも進化しています。安心して下さい‼

吐き気・嘔吐が怖いから抗がん剤治療しないという方、対策はたくさんあります。生きている時間を長くするため・腫瘍を消すため・より楽しい人生を延長させるために恐れないでください。

いくつか吐き気にも種類があります。敵を知り、どのタイプの吐き気が出てしまったのか、どう対処することが軽減できるのか、ぜひこれを参考に自分の症状を的確に医療スタッフへ伝えてください。


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抗がん剤による吐き気・嘔吐の特徴

吐き気・嘔吐を引き起こす原因としてよく知られているのが、抗がん剤によるがん治療です。抗がん剤によって脳の嘔吐中枢が刺激を受けてしまって、吐き気・嘔吐を生じます。

原因がわかっています。それを抑えればいいんです‼ちなみに抑える薬あります。

ご紹介させていただきたいと思います。


抗がん剤による吐き気・嘔吐の種類

点滴すぐに起こる急性期悪心・嘔吐

抗がん剤開始後、数時間以内に現れ(もっとも強く症状が現れるのは5~6時間後)、24時間以内に症状がなくなります

点滴後数日から起こる遅発性悪心・嘔吐

抗がん剤を投与したあと、24時間以降に現れて、2~7日間続きます。世の中のイメージがある吐き気はこの部分を指しており、一般的に吐き気と戦うのはこの部分です。

点滴していないのに起こる予期性悪心・嘔吐

以前に抗がん剤治療を受け、強い吐き気・嘔吐を経験した後、次に治療を受ける際、治療を開始する前からもよおす吐き気・嘔吐です。
吐き気には3種類あります。3種類いずれも戦い方が異なります。私は常に適切な薬物治療を行うために家での状況や気持ちのこと、現在の状況を聞き取りに行きます。(実はだめだったのに)「大丈夫でした」と言ってしまうと、正確な副作用対策ができません。正直に教えてくださいね。

抗がん剤の種類と吐き気の誘発度(点滴)

吐き気のランク

治療方法/商品名(がん種)

高度催吐性リスク(とても高い) AC療法(乳がん)
シスプラチン含有(食道がん等)
大量エンドキサン(骨髄移植)
FOLFIRINOX療法(膵がん)
中等催吐性リスク(やや高め)    ビダーザ(骨髄異形成症候群)
 FOLFOX/FOLFIRI/XELOX(大腸・胃)
トレアキシン(濾胞性リンパ腫)
カルボプラチンを含む治療(肺がん等)
軽度催吐性リスク(軽い)  パクリタキセル(胃がん・乳がん等)
ドセタキセル(前立腺がん・肺がん等)
ゲムシタビン(肺がん・膵がん等)
ハラヴェン(乳がん・軟部肉腫) 
最小度催吐性リスク(ほぼゼロ) ▲▲▲マブ(抗体製剤)

抗がん剤の種類と吐き気の誘発度(内服)

吐き気のランク

治療方法/商品名(がん種)

高度催吐性リスク(とても高い) プロカルバジン(リンパ腫)
中等催吐性リスク(やや高め)  ボシュリフ(慢性骨髄性白血病)
グリベック(慢性骨髄性白血病)
ザーコリ(肺がん)
テモダール(脳腫瘍等)
軽度催吐性リスク(軽い) タシグナ(慢性骨髄性白血病)
スプリセル(慢性骨髄性白血病)
アレセンサ(肺がん)
ゼローダ(胃がん・大腸がん・乳がん)
アフィニトール(乳がん等) 
TS-1(胃がん・大腸がん・乳がん)

吐き気が起こりやすい人がいる?

治療開始前に、吐き気・嘔吐を生じやすい体質・要因をチェックしておくことも大切です。チェック項目には下記のようなものが挙げられます。

  • 若年である
  • 女性である
  • 副作用に対する不安が強い
  • 前の治療で強い吐き気があった
  • 乗り物酔いをしやすい
  • 妊娠時につわりがひどかった
  • アルコールの常用の有無(お酒に弱い方)
上記に1個でも該当すれば吐き気が出るわけではありません。ですが、出現しやすい方を探してみると共通点として挙げられた要因です。

重要なのは予防

抗がん剤の吐き気はとにかく予防することが必要です。実は抗がん剤治療の中には必ず吐き気止めがセットされた形で治療を受けてもらっております。

急性期悪心・嘔吐の予防

種類:セロトニン5HT3受容体拮抗剤
お薬:カイトリル/グラニセトロン(点滴), ナゼア(内服), アロキシ(点滴)


遅発性悪心・嘔吐の予防

種類:ステロイド
デキサート(注射),デカドロン(内服)

種類:NK1受容体拮抗剤
イメンドカプセル(内服),プロイメンド(点滴)

上記の急性・遅発性に対する治療薬は、治療方法に合わせて最も適した薬剤を準備されております。抗がん剤治療開始と同時に始まったりしている薬剤かと思います。確認してみてください。


予期性悪心・嘔吐の予防

種類:抗不安薬
お薬:ワイパックス(内服),ソラナックス(内服)

防げなかったときの対策(治療)

現在、最も効果が期待できる薬剤として、オランザピン(ジプレキサ)という薬剤が推奨されている。ですが糖尿病がある場合、副作用が強くでる可能性があり使用することができません。調べていただくと、「統合失調症治療薬」と記載がありますが、抗がん剤の吐き気を抑える効果を持っております

他にもノバミン,ドンペリドン,ナウゼリン,トラベルミン,アタラックスPなど、多くの吐き気止めがあります。患者さんによって良く効く薬は本当に違います。ぜひ吐き気が治まらなければ医療従事者にご相談下さい。


患者さんからよくある質問と回答

どの吐き気止めが聞きますか?
患者さん個々によって、効果を感じる薬が異なります。これだ‼って合う薬剤選択をするためにも色々試していただくのがベストです。飲み薬の吐き気止めは、早くても数十分かけて効果が発揮されてきます。MAX気持ち悪くなる前に飲んでいただくほうが効果を感じやすいです。
ご飯をしっかり食べないと弱っちゃうと頑張って食べていますが、吐き気止めを食べてもあんまり食べれません。どうしたらいいですか?
3食決まった時間に食べないといけないといけないことはありません。自身が食べれそうなタイミングで食べることをお勧めします。体重減少が気になる場合、栄養補助食品の追加や食事の工夫方法など情報をお伝えすることもできます。ぜひ医療従事者に相談してみてください。

最後までご覧いただきありがとうございます。 

読んでいただいた方が、より安全な抗がん剤治療を受けられるように願っています。また元気な時間を1日でも長く・楽しく・素敵な思い出を作れるよう、副作用を気にしないで生活できるように貢献できるよう情報を発信していきたいと思います。

薬剤師まさ

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